一般社団法人 日本小児リウマチ学会

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TOPICSトピックス

ヒドロキシクエロロキン製剤の使用に当たっての留意事項について

2015年08月08 日

ヒドロキシクロロキン製剤(販売名:プラケニル錠200mg)(以下、「本剤」という)については、本日、「皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス」を効能又は効果として承認したところですが、本剤の使用に当たっては、添付文書の記載事項を熟読の上、特に下記の点について留意されるよう、貴管下の医療機関及び薬局に対して周知をお願いします。

1.本剤には網膜障害を含む眼障害の発現リスクがあり、1日平均投与量として6.5mg/kg(理想体重※)を超えると網膜障害を含む眼障害の発現リスクが高くなることが報告されていることから、用法及び用量を遵守することについて、特段の留意をお願いすること。
また、本剤投与後の脂肪組織中濃度は低いことから、実体重に基づき本剤を投与した場合、特に肥満患者では過量投与となり、網膜障害等の副作用発現リスクが高まる可能性があるため、実体重ではなく、身長に基づき算出される理想体重に基づき投与量を決定すること(添付文書のく用法及び用量に関連する使用上の注意〉 を参照)。

(参考)本剤の用法及び用量
通常、ヒドロキシクロロキン硫酸塩として200mg又は400mgを1日1回食後に経口投ただし、1日の投与量はブローカ式桂変法により求められる以下の理想体重に基づく用量とする。
女性患者の理想体重(kg)=(身長(cm)-100)×0・85
男性患者の理想体重(kg)=(身長(cm)-100)×0・9

(1)理想体重が31kg以上46kg未満の場合、1日1回1錠(200mg)を経口投与する0
(2)理想体重が46kg以上62kg未満の場合、1日1回1錠(200mg)と1日1回2錠(400mg)を1日おきに経口投与する。
(3)
理想体重が62kg以上の場合、1日1回2錠(400mg)を経口投与する。

2.本剤による網膜障害に関するリスクは用量に依存して大きくなり、また長期に服用される場合にも網膜障害発現の可能性が高くなる。このため、本剤の投与に際しては、網膜障害に対して十分に対応できる眼科医と連携のもとに使用し、本剤投与開始時並びに本剤投与中は定期的に眼科検査を実施すること(添付文書の【警告】を参照)。

3.本剤の投与は、本剤の安全性及び有効性についての十分な知識とエリテマトーデスの治療経験をもつ医師のもとで、本療法が適切と判断される患者にっいてのみ実施すること(添付文書の【警告】を参照)0
(参考)〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉
(1)限局的な皮膚症状のみを有する皮膚エリテマトーデス患者に対して、本剤は、ステロイド等の外用剤が効果不十分な場合又は外用剤の使用が適切でない皮膚状態にある場合に投与を考慮すること。
(2)全身性エリテマトーデス患者に対して、本剤は、皮膚症状、倦怠感等の全身症状、筋骨格系症状等がある場合に投与を考慮すること。